20年以上前。切迫早産で体重800gの男の子を産みました。
昔と違って未熟児とは言わず『超低出生体重児(ちょう/てい/しゅっせい/たいじゅうじ)』と呼ぶんですね。
全身に麻痺がありますが、会話には困りません。わかりやすく言うと『いろんな活動がスムーズに行かないけど話はできるひと』です。
息子は2018年に家を出て、ひとり暮らしをしています。
海外留学、楽しそうです。
そう!(って言われてもお困りでしょうが)子育て終了です!
やった・・・・(シミジミ)
「退院できるんだろうか・・・・?」
「生きて小学生になれるんだろうか・・・・?」
おそるおそる始まった子育てでした。
いろいろアレコレありましたけれども!めでたく終わる日が来てしみじみびっくりです。
この機会に懐かしい日々のことをボチボチ思い出してみようかなと思いまして。もしよろしければお付き合いくださいませ。
留学生活①旅立ち
旅立ちって、書いた後赤面しました。そんな言うほどドラマティックじゃないです。まずは留学生活へ向かった日の、普ッ通ゥゥーの様子を書こうと。
家を出る日は、オットとともに空港までの見送りです。
前の晩、息子から「一応言っとくけど、空港で号泣とかしたら目合わさんようにして逃げるからね?」とクギを刺されたわたし。
「元気でねぇええーん涙」って、ちょっとくらいドラマみたいに楽しみたいのに。いっそウチワにキラキラのフワフワをデコレーションして振ってやってもいいんだけどね?(縁を切られるかもしれない)
それにしても最近の旅立ちは風情がありません。生まれた時の小さい息子を思い出してウルッと・・・する暇もなく。
「んじゃ、ちょいちょい連絡するから」「おー。気ぃつけてねー」くらいの感じでした。
それに、見送って数時間後には『業務連絡』的なメッセージが届くんです。
「調子が悪かったウチのプリンタね、サポートに問い合わせて解決法として説明された内容送っとくから云々」みたいな内容で。
『一人息子が家を出た』センチメンタルな気分には、まぁならない。
世界って本当に近くなっちゃったんですね。
それでも、留学準備中は赤ン坊時代から仲良しのママ友や地域の方々から「最初の2週間くらいは一緒に行くの?」とよく聞かれました。
「え?行かない・・・・」と答え、同時に(行ってもすることがない)とも思いました。英語も話せないわたしが付いて行ったら、お金の無駄と足手まといになるだけ。情けなさ限りなし。
同時に「付いて行ってやらなくちゃ!心配だし」と1ミリも思わずに済んでいる事を、ありがたいなあと思うのです。
学問の分野も大学も、留学することも。手続きも何もかも自分でやれる『大人に成って』。これぞ『成人』ってことです。
『自分で生きていける人』に育てたい。『自分で幸せになるための努力を継続できる人』に育てたい、そう願いながら子育てしました。
「これはひとまず『子育て大成功』と言ってもいいんじゃないかしら?」と満足するハハであります。
さてさて、出立した息子の話題へ戻りまして。
現地の空港に着きさえすれば、あとは楽チン。そこからは大学のバスが空港まで迎えにきてくれ、ほかの留学生と一緒に寮まで送ってもらうことになっていたようです。
(ここからの『ようです』『〜らしい』『〜みたい』『〜と聞きました』連発を陳謝します)
留学生の多くが中国各地から来ているそうで、空港でも同じ頃到着した若者から「君も中国から?」と聞かれたようです。
「ガッツリ返してくるから中国人かと」思われたらしく。息子、確かに昔から物怖じしない人だった。
寮の学生さんたちにも『友人』として認定され、旧正月のお祝いパーティーにも呼ばれるくらい馴染んでいるみたいです。
留学先の冬は、風が強くとっても寒いと聞いていました。
息子、驚くことに血行不良で日本の5月に『しもやけ』を発症する男ですから。冷えは天敵です。
しかも身体の特性もあって、全然太れない息子は激ヤセボディ。寒さは即、体力を奪います。冬季生存に向けて万全の備え、超重要。
冬登山にも対応できる極暖ダウンとパーカーを買って行きました。
スーツケースに入れたのは、着替えとノートパソコン。身の回りの品をほんの少し。必要な本などを詰めたダンボール箱を3つ、宅配便で送りました。身軽なもんです。
生まれた時も『予定日よりさっさと』出て来ましたが、家を出ていく時もあっさりサッサと出て行った息子です。
小さく生まれて障害を持った子どもを育てていると、親はつい『ずっと世話が必要』と考えてしまうモードになりやすい。
今思い返しても『支援と過保護の境目はどこなんだろう?』と夫婦で手探りし続けた子育てだったなーと思います。
過ぎた日は帰ってこない。あの日の決断・判断が、そのまま今につながっている。そう思うと「これからの毎日も結構大事にしなきゃいけないな」と改まるわたしです。
小さい赤ちゃんのご両親を応援します
現在小さい赤ちゃんと暮らしている方々。心配や悲しみ、罪悪感など『心が大きく揺れた』ことはありませんでしたか?。
わたしも今でこそこんな(こんなって何だろう?)ですが、床に突っ伏して大泣きした日もありました。
ただ『絶望してる1日』も『明日のための今日』も同じ24時間です。どうせなら、栄養と睡眠をたっぷりとって深呼吸して欲しい。明日をその手で暖めてください。
小さい赤ちゃんのお母さんお父さんを応援します。『大人になったらこんなになって(いるパターンもあり)ますよ』と届けばいいなと思いつつ。