子育ての中で「なんでそんなこと言うの?!」「なんでこんなことするの?!」と、頭を抱えることはしょっちゅう。でも、子どもを動かしている『脳』を知ると、イライラがかなり減ります。
『理解できないこと』には、誰でも抵抗感があります。でも「へー、そういうことなんだ」と分かれば、心に余裕が持てるのではないでしょうか。
きっと、子どもの行動を「なるほどヨシヨシ」と受け止められるようになりますよ。
大人と子どもの脳は全く別の物
大人の脳はほぼ完成品
大人の脳は『システム』が完成しています。生まれ育った社会や文化、出会った人など、経験や環境に合わせて成長してきたのです。
システムの出来上がりレベルに合った『感情をコントロール』や『ものの言い方』『態度』をします。
わたし(8才)
子どもの脳
子どもの脳は、これから生きていく社会(の環境)に合わせて『これから作られていく』ものです。
乳児の頃は『考える・記憶する仕組み』もまだできていません。吸い付いたり飲み込んだりする『反射』や、生まれたときから持っている『人の顔を見る』性質などが行動に出ます。
環境や経験によって、脳内の回路は組み上げられ『うまく生きていける人』としての行動ができるようになっていきます。
わたし
子どもは一から学ぶ
子どもはなんでも『やってみて学ぶ』ように、基本設定された脳の持ち主です。
もし『こういう時はこうする』と決まった行動をするようになっていたら、環境にズレがあった場合生きていけません。生まれた場所がどんなところで、どんな文化を持っていても合わせていけるように、一から学ぶのです。
学んでいる行動が『子どもらしさ』
社会・文化・環境に合わせて『生きていける頭や体』になろうと、努力し続けているのが子どもの脳です。
「こうかな?」「それともあっちかな?」「なんでこうなった?」と、何にでも手を出し足を突っ込み、熱心に研究します。
だから「フラフラして」とか「後先を考えない」ように見えます。
わたし
わたし(8才)
成人までかかって完成
脳は全体が少しずつ発達するのではなく、役割ごとに『仕上がり時期』が違います。
『計画』や『努力』、それに衝動的に行動しないよう自分をコントロールするなど『高いレベル』の完成は、大人になるまでかかるのです。
泣く・飲み込む・手足をバタバタさせる……それからたった20年くらいで、社会で生きていける大人になるんですから案外早いものですね。
子どもの脳のために親ができること
やってみて確かめるスタイルの研究者である子どもは、とても集中しています。熱心な活動が時に大人にとって「くだらないこと」のようにも見えますが、研究が済むまで見守ってあげましょう
人として好ましくない行動を研究させてはいけません。子どもは、大人の様子を見て・聞いています。『よい言葉』『好ましい態度』など、マナーは『お手本』として示すことが大事です
✅人を不快にさせる経験を積む必要はありません。言葉遣いや態度が良くなければ「その言い方は良くない。~と言おうね」とその場で伝えましょう。
あれはダメ、これはダメ!どうせ無理!といちいち言わない方が、子どもの脳は賢くなります。「失敗するよ!」と止められて未経験で終わるより、実際にやってみて「このやり方はよくないな」と経験した方が、知恵になるからです
ダメダメ言われすぎると、子どもの脳は「何かしようとすると叱られる」「やらない方がいい」と学習します。自分から積極的にやろうとする気持ち……『意欲』を失わないよう、ダメ!は可能な限り控えめにしたほうがいいのです
わたし
わたし(8才)
良い脳の完成ってどうなること?
良い脳は『状況を理解』し『計画を立て』『自分をコントロール』できます。
自分自身が『良い未来へ向かうように行動できる』のが適切に成長した脳の働き。生物として『生きて行きやすい脳』になること、ともいえます。
まとめ
大人と子どもの脳は全く別のもの。働く仕組みも違います。
何でも学べる『特別な脳』を持つ子ども時代は「この世界でうまく生きていくにはどうしたらいいか?」を、やる気満々で実験している最中。
だから、大人にとってはつまらないことでも繰り返すことができるのです。
わたし
わたし(8才)