子育ての悩みに直結。愛着の基礎知識〜愛着のパターンは4種類〜

愛着の基礎知識愛着4パターンの文字情報画像

乳幼児期に養育者との間で作られる特別なつながり、それが愛着。

子どもだけでなく、大人になっても持ち続ける愛着は、考え方や行動に関わるものです。つまり『生きやすさ・生きづらさ』『社会の中でどう生きていけるか?』に関わるもの。

わたし

愛着には4種類あります。

どんなのか知りたい。

わたし(8才)

子どもがどんな愛着を持っているか?実験で調べることができるんです。

『ママとの別れ・再会の時の赤ちゃんの様子』を観察します

実験の内容と観察ポイント

実験の手順・・・ややこしいのでココ読み飛ばしてもいいです。どんなものかちょっと見たい方は『右端の+ボタン』をポチすると開きます。

※カッコ内はその時部屋の中にいる人物
実験に参加する人:ママ/1歳~1歳半の赤ちゃん/赤ちゃんが知らない女の人
実験の場所:赤ちゃんにとって初めての部屋

  =実験開始=
・実験のお部屋にママと赤ちゃんに入ってもらって、おもちゃで遊ぶ(ママ・赤ちゃん)
・知らない人がお部屋に入ってくる(ママ・赤ちゃん・知らない人)
  ↓
・ママだけお部屋を出て行く(赤ちゃん・知らない人)
  ↓
・知らない人は赤ちゃんと遊ぼうとする(赤ちゃん・知らない人)
  ↓
・ママが部屋に入ってくる(ママ・赤ちゃん・知らない人)
  ↓
・知らない人が出て行く(ママ・赤ちゃん)
  ↓
・ママも出て行く(赤ちゃん)
  ↓
・知らない人が入ってきて赤ちゃんを慰める(赤ちゃん・知らない人)
  ↓
・ママが入ってきて、知らない人は出て行く(赤ちゃん・ママ)
  =実験終了=

この実験ではママや知らない人の出入り時間も決まっています。

この実験で赤ちゃんは『ママとの別れと再会・知らない人との関わり』を経験してもらうことになります。

それぞれの時に赤ちゃんがどんな反応をするか?ここが観察ポイント。それによって、愛着パターンが分類されます。

次はパターン別に『赤ちゃんの反応・日本の赤ちゃんの割合』を見てみましょう。

4パターンの様子と特徴

①〈B:安定型〉の特徴

・ママと別れる→泣いて後追い。不安を示す

・ママと再会→素直に喜んで抱っこを求め、くっつきたがる。落ち着くのも早い
→約60%の赤ちゃんがこのパターン

②〈A:回避型〉の特徴

・ママと別れる→泣かず、後追いもしない。反応がほとんどない。嫌がる様子が少しあっても、知らない人がなだめることができる

・ママと再会→目を合わせず、自分から抱っこを求めない

→約15%の赤ちゃんがこのパターン

③〈C:アンビバレント型〉(抵抗/両価型とも言われる)の特徴

・ママと別れる→激しく泣いて強い不安を感じる様子を見せる

・ママと再会→自分からはママに近づかない。ママが抱っこしようとすると、嫌がったり抵抗したりする。でも一旦くっつくと離れず、抱っこをやめて降ろそうとすると怒って叩くなど攻撃的な行動をとることもある。

→約10%の赤ちゃんがこのパターン

④〈D:無秩序型〉(混乱型とも言われる)の特徴

・ママと別れる→無反応であっさりした様子かと思うと激しく泣いたり怒ったり。知らない人にベタベタ甘えることもある

・ママと再会→目を合わせない。顔を背けたままママに近づいたり、くっついたかと思うと離れて行ったり。ママに対して怯える行動を見せる

→約15%の赤ちゃんがこのパターン

4つの愛着パターンを調べるには厳密な実験が必要です。家庭や仲間同士で簡単にできるものではありませんね。(2)

注意
ただし、この実験・方法を確立したのはアメリカ人の研究者。親と子の『ありがち』な行動は、その国によってかなり違いますよね。お国柄ってよく言われます。だから『そういった文化的な背景の違いを考えに入れて、注意深く分類の仕方を工夫した方がいいんじゃないの?』という心理学者の研究もあります。(3)

愛着パターンの違いで『何が』わかったの?

愛着パターンは『赤ちゃんがママをどんな存在として感じているか?』を表しています。つまり、それまでママとの間にどんな関わりが積み上げられてきたか?が表れるのです。

〈B:安定型〉でわかること

赤ちゃんが泣いた時に『抱っこ』や『おむつの交換』『お腹が空いたのか?ミルクあげよう』などなど「赤ちゃんにとって嫌な刺激を取り除いてあげよう」とすぐに反応をしてもらった。

「自分の求めは叶えてもらえる。いつも助けてもらえる。ママのそばにいれば安全。いつでも安心でいられる」と、ママを『安全基地』として認識している

〈A:回避型〉でわかること

赤ちゃんが泣いても相手をしてもらえなかった。慰めてもらえず、逆に叱られたり避けられたりした。

子どもの事情や状況を中心に考えるより、親の都合に合わせようと『コントロール傾向の強いママ』が子育てした。

〈C:アンビバレント型〉でわかること

赤ちゃんが『泣き=求め』した時、親の都合が優先された。『対応してあげたり』『してあげなかったり』が入り混じっていた。赤ちゃんの様子に敏感に反応できなかった。赤ちゃんも安心感を持てず、不安になっている。その結果、赤ちゃんにも一貫性の無い行動をしてしまうことになった。

〈D:無秩序型〉でわかること

養育者が虐待した。あるいは赤ちゃん側から上手に甘えることができず『ママとのやりとり』が難かしかった。親子の間で、愛着の作られ方がうまくいかなかった。

以上、4つのパターンでした。(4)

親子で実験に参加する機会は、一般的にほとんどないでしょう。でも、ママ(養育者)が日常でどんな対応をしているか?思い出して客観的に振り返ってみることはできそうですね。

まとめます

4つのパターンの違いを見て『安心できた人』は素晴らしいです。毎日本当に赤ちゃんのことを見てる。気付いてる。その調子で赤ちゃんとの暮らしを続けて欲しい。

もしもギクッとした方がいたら。赤ちゃんとの対応を軌道修正しましょう。

慌ただしく、あっという間に過ぎていってしまう毎日かもしれません。でもその日・その時のやりとりが、ちゃんと赤ちゃんの脳に積み重なっています。

今の工夫と赤ちゃんへ向ける注意や関心が、将来あなたとあなたの家族をきっと楽にしてくれます。いちいち「ああしろこうしろ」と言わなくても、自信を持っていろんなことにチャレンジできる人になってくれたら、嬉しいと思いませんか?

最初にどんな愛着のパターンを持つか。それを決められるのは赤ちゃんのそばにいる人です。

参考文献

(1)(2)(4)杉山登志郎. 子育てで一番大切なこと: 愛着形成と発達障害,講談社現代新書, 2018, p. 52-60.

(3)氏家達夫. Strange Situation における愛着行動のパターンと分離前場面との関係について, The Japanese Journal of Psychology, 58(2), 1987 p. 98-104.

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です