「言うことを聞かないんです」と相談されることがあります。
「言うこと聞いてくれない」は、育てる側の疲労とイライラの原因のひとつ。そして『全部をカバーできる』解決策はありません。
『子どもの発達過程』の『どの時点で』?『どんな理由で』言うことを聞かないのか?それぞれ整理して解決したいお悩み相談の一つなんですね。
この記事ではざっくり『0~3歳程度の経験値のお子さん向け』という前提で言うことを聞かない理由を3パターン紹介します。
①親の要求が子どもの発達に合っていない
実際に「赤ちゃんがパソコンの配線を触って困る。触らないようにして欲しい」とご相談を受けたことがあります。
「仕事の邪魔をしている!絶対にわざとやっている」とたいへんなお怒りでしたが「うちの子は意地悪だ」と怒っていたのは、つかまり立ちがやっとできるようになった月齢。まだほんの赤ちゃんでした。
コンセントの前に家具を置いて触れないようにし、配線カバーをつけ、仕事に使っていたちゃぶ台を高差のあるテーブルに変える。そして『赤ちゃんの発達の道すじ』をお話しして、イジワルではないと安心してもらいました。
親の要求が子どもの成長段階を飛び越えてしまっている場合は、親側の認識をアップデートすることで解決できるパターンです。
②まだ言葉を理解していない
単語や行動の意味を『知らない』『理解していない』から言うことを聞けないパターンもあります。
赤ちゃんに初めて靴を買ってあげた。「気に入って部屋に靴を持ってきて遊ぶようになって困る」なんて場合です。
これは「部屋にくつを持って来ないでね」と何度言っても言うことは聞けません。
わたし(8才)
わたし
『部屋』『くつ』『持って来ない』それぞれの意味がわからないと、おもちゃとの区別もつきません。まずは言葉の理解を助けてあげることが何よりの解決法。毎日の話しかけが大事です。
③成長している証拠
『親を試している』『ウケをねらっている』『独創性を発揮している』『反抗』など、成長の証ってこともあります。
3歳未満でも『質の高い、豊富な経験』によって、とっても発達が進んでいることがあります。「おっ」と思うほど面白く賢い行動をするお子さんがいるんですね。すると、親への試し行動・ウケ狙い・反抗が早く表れる場合もある。
これなら一つの成長ですから「おー、ここまで大きくなったか」と喜んであげたいことでもあります。『いい子』であることを強要しないで、子どもの行動に興味を持ってあげたいところです。
・(ひとや自分に)取り返しのつかない怪我をしない、させない
・命の危険があることは力づくでも止める
↑これを大前提に、大人の余裕でノってあげて一緒に楽しむも良し。「えー?そんなことするのはカッコよくないなぁ!」と忠告しても良し。『我が家スタイル』を作りたいですね。
『言うことを聞かない』受け止めはいろいろ
発達はその子によってさまざま。その親の経験も考えも違う。『言うことを聞かない』にも月齢・発達・家庭別に違いがあります。
- その月齢になるまでの間に、誰と・どんなことを・どんな気分で・何回経験したか?
- (子どもと親両方の)気質などの遺伝
- 時間・体力・心配事・収入と支出など、親の余裕に関わること
いろんな要因が影響しあいます。
Aさんにとって『言うことを聞かない事』がBさんには『面白い行動』と思えることもあります。どちらがメリットが大きいかといえば『言うことを聞かない』と親が感じることが少ない方です。親もストレスを感じないし、子どもはのびのびできます。
親の言うことをなんでも「ハイ」「ハイ」と聞くばかりの子どもは、ある意味将来が心配。自分の意思・感情がしっかりあることは大事なのです。自分で生きていくひとになってもらうためにも「なんでも言うことを聞く子ども」にならないよう育ってほしいと思います。
あなたの子育てライフが幸せに終わりますように。祈っています。