子育て相談①:言うことを聞きません

幼児の腕を掴む母親のモノクロシルエットイラスト

「言うことを聞かないんです」と相談されることがあります。

「言うこと聞いてくれない」は、育てる側の疲労とイライラの原因のひとつ。そして『全部をカバーできる』解決策はありません。

『子どもの発達過程』の『どの時点で』?『どんな理由で』言うことを聞かないのか?それぞれ整理して解決したいお悩み相談の一つなんですね。

この記事ではざっくり『0~3歳程度の経験値のお子さん向け』という前提で言うことを聞かない理由を3パターン紹介します。

おことわり
発達や経験値によって個人差があります。『◯歳程度の経験値』を持つ年齢という表現をご了承ください。

①親の要求が子どもの発達に合っていない

肩をすくめて呆れたような表情でこちらを指差す黒髪の女性
さっきも言ったやん?

実際に「赤ちゃんがパソコンの配線を触って困る。触らないようにして欲しい」とご相談を受けたことがあります。

「仕事の邪魔をしている!絶対にわざとやっている」とたいへんなお怒りでしたが「うちの子は意地悪だ」と怒っていたのは、つかまり立ちがやっとできるようになった月齢。まだほんの赤ちゃんでした。

コンセントの前に家具を置いて触れないようにし、配線カバーをつけ、仕事に使っていたちゃぶ台を高差のあるテーブルに変える。そして『赤ちゃんの発達の道すじ』をお話しして、イジワルではないと安心してもらいました。

親の要求が子どもの成長段階を飛び越えてしまっている場合は、親側の認識をアップデートすることで解決できるパターンです。

②まだ言葉を理解していない

単語や行動の意味を『知らない』『理解していない』から言うことを聞けないパターンもあります。

赤ちゃんに初めて靴を買ってあげた。「気に入って部屋に靴を持ってきて遊ぶようになって困る」なんて場合です。

これは「部屋にくつを持って来ないでね」と何度言っても言うことは聞けません。

なんで?

わたし(8才)

わたし

言葉の勉強中だからです。

『部屋』『くつ』『持って来ない』それぞれの意味がわからないと、おもちゃとの区別もつきません。まずは言葉の理解を助けてあげることが何よりの解決法。毎日の話しかけが大事です。

③成長している証拠

『親を試している』『ウケをねらっている』『独創性を発揮している』『反抗』など、成長の証ってこともあります。

公園のベンチに寝転びいたずらな表情で頬杖をつく幼い女の子
ウフフ
納得がいかない表情で腕組みをしてこちらを上目遣いで睨んでいる7歳くらいの少女
ワタシにだって言いたいことがあるの

3歳未満でも『質の高い、豊富な経験』によって、とっても発達が進んでいることがあります。「おっ」と思うほど面白く賢い行動をするお子さんがいるんですね。すると、親への試し行動・ウケ狙い・反抗が早く表れる場合もある。

これなら一つの成長ですから「おー、ここまで大きくなったか」と喜んであげたいことでもあります。『いい子』であることを強要しないで、子どもの行動に興味を持ってあげたいところです。

・(ひとや自分に)取り返しのつかない怪我をしない、させない

・命の危険があることは力づくでも止める

↑これを大前提に、大人の余裕でノってあげて一緒に楽しむも良し。「えー?そんなことするのはカッコよくないなぁ!」と忠告しても良し。『我が家スタイル』を作りたいですね。

『言うことを聞かない』受け止めはいろいろ

発達はその子によってさまざま。その親の経験も考えも違う。『言うことを聞かない』にも月齢・発達・家庭別に違いがあります。

  • その月齢になるまでの間に、誰と・どんなことを・どんな気分で・何回経験したか?
  • (子どもと親両方の)気質などの遺伝
  • 時間・体力・心配事・収入と支出など、親の余裕に関わること

いろんな要因が影響しあいます。

Aさんにとって『言うことを聞かない事』がBさんには『面白い行動』と思えることもあります。どちらがメリットが大きいかといえば『言うことを聞かない』と親が感じることが少ない方です。親もストレスを感じないし、子どもはのびのびできます。

親の言うことをなんでも「ハイ」「ハイ」と聞くばかりの子どもは、ある意味将来が心配。自分の意思・感情がしっかりあることは大事なのです。自分で生きていくひとになってもらうためにも「なんでも言うことを聞く子ども」にならないよう育ってほしいと思います。

あなたの子育てライフが幸せに終わりますように。祈っています。

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